【第六回トラックドライバー甲子園 チケット好評発売中!】

「トラックドライバーを子供たちの憧れの職業にする」という想いを実現するために提言している「誇り」と「安心」の「誇り」を体現するイベントが、トラックドライバー甲子園です。

第6回のテーマは「未来への一歩」です。トラックドライバーに誇りと安心を与えられる業界にしていくことで、未来に繋げていける様、皆さんの応援をお待ちしています。

http://t-d-k.jp/

■■開催概要■■■■
【日 時】
2019年2月24日(日)
開場 13:30/開演 14:30/終演予定 17:30
【会 場】有楽町よみうりホール
【参加費】5,000円
【内 容】
1)MVC~Most Valuable Company~(企業表彰)
2)MVD~Most Valuable Driver~(個人表彰)
3)情熱のプレゼン(企業チーム表彰)
4)イケメントラックドライバーコンテスト(個人表彰)
※開催内容は順不同、内容が変更する可能性もございます
【主 催】一般社団法人ドライバーニューディールアソシエーション

◆チケット購入はこちら↓
https://t-d-k6.peatix.com

※請求書、銀行振込でチケット購入をご希望の方は、下記までご連絡ください。
一般社団法人ドライバーニューディールアソシエーション事務局(担当:藤居)
メール: dna.secretariat@gmail.com
TEL&FAX 03-6820-0881
(メールを送って5日以上返信がない場合は、不着の可能性があります。お電話にてご連絡ください)

2018年11月度 DNA定例会開催レポート

2018年11月27日(火)、東京貨物運送健康保険組合にて、11月度D.N.A定例会を開催しました。今回の講師は、D.N.A会員でもある拓殖大学商学部の角田光弘先生に、講義いただき、その後ディスカッションを行いました。

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1. ロジスティクス企業が自らの取り組みでできることについて

角田先生から「人が働くことの意義や動機」「金銭的処遇がモラルやモチベーションの向上につながりうるか」という問題提起がありました。経験を通じてより一層難易度の高い仕事をできるようになって、高い報酬を得られるのが通例である一方、同じドライバーでも、電車の運転手は、報酬や職位を含め、経験を加味した年功序列制度が適用されるのに対し、バスの運転手はそれが必ずしも適用されていない現状。また、月額報酬に評価制度を取り入れることの意義を改めて提示くださいました。

人が働く動機とは? 「その仕事自体が好き!」、その仕事自体が行動目的やモラルの源泉となる場合です。「その仕事以外に理由あり」、例えば家族を養うため、より良い生活をしたい、敬愛する上司の役に立ちたい!など。双方とも頷けますが、角田先生が問題視したのは「後ろ向きに外発的動機付けをされた状態」です。すなわち、自らの処遇に危機感を抱いた従業員が解雇などの不利益をこうむることを避けるべくその仕事に精励しようとすること。平たく言えば、自分の心や体を置き去りにして無理をしている状態です。これが過ぎると、心や体に変調をきたします。

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こういった現状を踏まえ、参加された運送会社さんではどのような報酬制度を取り入れているか、ディスカッションを行いました。

参加者さんの会社の報酬制度の一例:
「3年ほど前、歩合から能力、評価に基づく給与体系に切り替えた。4段階にランク分けして、現在は半年ごとに評価している。またボーナスとは別に、無事故の表彰金を出している。1日無事故だったら100円~200円で半年ごとに現金払い。今後検討しているのは、無事故の長期継続者がより報われるような形のもの。基本給ほぼ一本でやっているが、無事故の加算を追加している。ただ一方で残業稼ぎをする人が出てきてしまうので改善したい。技術が上がれば作業も早くなるので、標準運行時間を決めている。ただやりすぎると、事故を起こしたり事故を隠したりするケースも出てくるので、無事故とのバランスをみて評価して、基本給に加味している。その他、資格なども評価に反映することも検討いている。手当にはしたくない。理由は、過去に手当の種類がありすぎて、声が大きい人に給与が偏ってしまった。事故がない、コツコツやっている人が割に合わないのは避けたかった」

 頑張りが評価される評価制度をとりいれることで、ドライバーさんの動機付けを行う取り組みの一例です。会場からは「評価をする人たちのレベルあわせはどのようにするか?」という質問があり、「上長の評価に対して不満を持つドライバーもいるのは確か。ただ、先に管理職の評価制度を作ると、自分の評価ばかりでドライバーのことが見られなくなる。一方で、ドライバーに辞めてほしくないがために、評価をいいようにもっていく例も。課題」とのことでした。人がする評価なら、どんなに基準を作ってもその人物の知識や経験、倫理観は必ず入ります。かといって数値だけでは評価できない部分があり、そこを評価してあげたい、という思いが会社側にはある、ということでしょう。

 一方で、求人の際に、求人媒体の方のアドバイスで「仕事の内容より、会社のレクリエーションや社員旅行の写真を掲載して」成功している事例も共有されました。ほぼ仕事内容は掲載せずに(⁉)、写真も旅行の写真など楽しいもの、社長自ら楽しんでいる笑顔などを掲載、年齢層も幅広く応募があり、その後の定着率も上々とのこと。少子高齢化の波が押し寄せる課題は、この定例会でも何度か取り扱われています。人が、特に若年層がきてくれる求人のお決まりのパターンというのはないようですが、仕事や報酬制度の内容を明示する一方で、「表現」の大切さ、重要さを改めて認識させてくれる事例でした。文字で表現される以外の、会社のイメージに対して想像力がかきたてられるのは確かですし、今の日本になんとなく漂う閉塞感には、こういった「明るさ」は、実は思った以上に大切かつ必要とされているのかもしれません。

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(↑明るい会社の方)

 

2. ロジスティクス企業が荷主様により一層ご理解をいただくことについて

 角田先生から、下記のような問題提起がありました。

1. 荷物の到着時刻に妥当性はあるか?
2. 荷主と納入先に理解いただくために何が必要か?
3. 繁忙期と閑散期でプライステーブルが異なることはありか?
4. 注文の早期割引、直前のキャンセルの有償化はありか?
5. 荷主や納入先がやっていた業務を請け負える業務は?

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会場の意見:
・直前のキャンセルは、特に当日のキャンセル料は100%。
・キャンセル料は夕方4-5時にきたものは100ないしは70くらいはいただく。
・多重受けのような構造になっているので、伝達の悪さもある、実は午後でもよいのに午前必着となっていたりすることは多い。
・プライステーブルについては、スポットなら当たり前にある。引っ越し関係だと3月がピーク、など。
・正月3が日は値上げしてもらっており、ドライバーに還元している。会社にはいれない。
・業界を超えて、納期ありきは、問題だと思う。納期が無茶苦茶でできないサービスをできるといっていい加減なものを作っている。発売日が決まっているものなどは仕方ないが、それ以外で、果たしてそんなに急いでいる?というものが多い。トヨタ方式、在庫をもたなくなって、という流れのしわ寄せがきているのだろう
・荷主との交渉については、7-8年前からコツコツと交渉、スポットの仕事がほとんどなので、次に仕事をいただくときは、距離に応じた運賃表に基づき、この金額じゃないとできない、という提示をしている。それが実っているものもある、少しずつ全体の金額をあげる努力はしている。
・ここ1-2年はキャンセル料や待機料の交渉を始めている。デジタコなど、時間を把握できるものがあるので、実態を示すことができる。最終顧客に交渉してもらわないとできませんよ、という形で交渉している。
・値上げ交渉で気を付けているのは、大手には強気に交渉、同業者はそこまでシビアにやっていない。お互いの助け合いが必要だったりするので。
・デジタコのデータをもとに値段があわないことを提示しても、検討しないところもあれば、同感しても支払いには影響させてくれないところ、きちんと影響させてくれるところ、様々。ただ、データを出しても信じてもらえないなら、仕事を失う覚悟をもって交渉している。
・待機時間については、スポットで待たされたときは請求する。駐車料金なども発生するので。
・値上げ交渉のとき、自社の経理状況を透明化してすべて提示。利益が残らないことを明示して運賃をあげてもらったことあり。お客さんは単純に知らないだけで、細かいところを説明すれば納得してくれることもある。
・荷物を降ろす場所が5階の階段などとんでもない場所だったりすると追加料金をもらったりする。
・意外に納品先のお客さんは到着時刻にこだわってなかったりする。営業が何時に指定するか、サービスとして聞いてしまっているのだろう。
・業務の請負については、センターの納品でやらなくてよいことをやらされるケースあり。間配り=店舗ごとに商品を仕分けする仕事。センターのピッキング作業員が人手不足でやる人がいない。大手スーパーはその傾向も強い、ひどいところはラベル貼りまで。運ぶ時間より、作業している時間のほうが長かったりする。運賃としてもらっているものだから、作業費としてもらわないとあわない、という話をしているが。ひどいときは3時間。問題になっている。

荷主さんとの交渉については、前回の定例会でも講義いただきましたが、「適正労働には適正運賃を」。不当なことはきちんと交渉する一方で、先方に悪意はなく、細かい事情を知らないだけであるケースもあるようです。伝えるべきところは誠意をもって伝えて、ご理解いただけなければご縁がなかったということ。難しい課題である一方、スタンスはシンプルでよいのかもしれません。

角田先生、貴重な講義と意見交換、ありがとうございました。

さて、12月のD.N.A定例会はお休みです。次回開催は2019年1月15日(火)16時より新橋フィルポートにて。オブザーバー参加ご希望の方はDNA事務局までお知らせください。

【開催終了】MVC・情熱のプレゼン審査会開催のお知らせ

【開催終了】多くのご参加、ありがとうございました!

「第6回トラックドライバー甲子園」に登壇するMVC(Most Valuable Company)、情熱のプレゼンの審査会を開催します。今回は、東京、名古屋、福岡の3地域同時中継による審査を行います。DNA会員、スポンサーの皆様はぜひお近くの会場へお越し頂き、投票をお願い致します!

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●開催日時: 11月10日(土)
●タイムテーブル
10時開場 ※10時45分までに来場ください。
11時開始~13時30分終了予定
11時開始 MVC 審査
12時30分 情熱のプレゼン審査

★3地域同時中継です!
■東京会場
東京貨物健康保険組合 5F大会議室
http://www.tokakenpo.or.jp/

■名古屋会場
ヤマネットセミナー会場
https://yamanet.resv.jp/

■九州会場
タイセイ社会議室
http://www.kaikisui.co.jp/taisei/

2018年10月度 DNA定例会開催レポート

2018年10月22日(月)、新橋フィルポートにて、10月度DNA定例会を開催しました。

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株式会社日通総合研究所 取締役の大島弘明様を講師にお迎えして、「これからの物流業界のあり方」を講義いただきました。1961年(昭和36年)に創立した同社は物流コンサルティングのプロフェッショナル集団、大島氏はその長年の知識、経験を活かして、物流業界の動向を講演くださいました。

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今後の物流業界の動向について。海外シフトや経済停滞により、日本の総貨物量は減少傾向にある、でもそれ以上に労働人口が減少することで、トラックドライバー不足には拍車がかかると予想されます。国の「血流」とも称される物流、輸送力が確保できなければ経済がますます停滞し、国の成長戦略にも支障が出てくる、そこで今、国も物流業界に対して動きを見せています。輸送力を維持するため、生産性の向上や働き方改革に着手しています。「自動隊列走行」も、その一つですが、これを経済産業省が主導しているというところが、そのポイントです。

もはや、物流業界の問題は、国の経済にかかわる問題と言えるでしょう。だからこそ、逆にいえば、物流業界が正しい主張や要求ができる時代になった、物流業界に追い風が吹いている、と大島氏は主張、この風を活かせば「明るい未来」が待っている、という言葉には、「ドライバー不足」やら「低賃金、長時間」やら、ネガティブなイメージが払拭できない物流業界にとって、非常に心強いものでした。

「追い風」の一例として。
先の北海道の地震の際、大学入試の試験問題の配送を請け負っていた運送会社がありました。そこで起きた例の地震、基本的には全て配送はお断りしました。地震の影響で信号機が故障、信号がないということは、安全な配送が保障できない、それはドライバーの安全をお保障できないからです。それでもなんとかお願いします、と粘った社もあったようですが、それでも徹底的にお断りした、と。経営者にとってみれば、今ここで受けておけば、今後の業績に~という「誘惑」は当然あるでしょう。それでも、ドライバーの安全を基準に、業務受託の可否を判断する、という正しい主張を貫きました。人の命より大事なものはない。こんな当たり前のことを当たり前に主張できない業界の仕組みが、つい最近まであったわけです。これは「時代が変わりつつある象徴ともいえる一例、物流事業者が正しい主張ができる環境になってきていると感じる」とのことでした。

また、物が運べなくなれば、困るのは物流事業者だけではない、荷主側も、業界の自助努力だけにまかせていたらドライバー不足は解消できないという見方をし始めています。大手メーカーT社の事例。物流事業者から値上げ交渉があり、ドライバーの環境改善という事情を考慮し、値上げに応じました。ただし、これには条件が一つ、「値上げした分をきちんとドライバーに還元したというエビデンスを出すこと」です。会社だけの利益にしてはならない、ということです。荷主さんの意識も徐々に変わりつつある、荷主さんにも積極的な交渉をしていきましょう、という力強いお言葉でした。

 

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以下、会場からの意見。
・確かに(荷主である)メーカーさんには強く言えるようになった。一方で、メーカーのお客さんである流通業者にはまだ強く言えない現状が残る。物流事業者、荷主、流通の3社で解決していかないと、現状はまったく進まない。」
 →大島氏「国もそこはわかっていて、まずは食品を切り口に対策を講じようとしている。一方で、スーパーや量販店にも不条理がたくさんある。周囲を固めていく策も必要。今後、発荷主さんの側で販売先にどういってもらうかを変えていく必要があるが、時間はかかるだろう」

・労働時間についても年間休日が100日を切ると、人がとにかく集まらない。かといって、物流は土曜日稼働が通常なので、そこが時間外の扱いになる。ドライバーの長時間労働対策も自助努力には限界がある、業界をあげて平日しか動かない、などの抜本的対策が必要。
→大島氏「おっしゃるとおり。時間外労働については国が決めたとおりきちんとやろうとすると、ドライバーから、もっと働けるところ、稼げるところを紹介してくれ、となる」

現場から国へのフィードバックが必要ですが、単純に「許容時間を延ばして」は通用しないようです。これももう少し時間がかかるでしょう。ただいずれにせよ、大島氏が「正しい主張をできる時代になった」「物流業界には追い風が吹いている」と終始一貫して主張されていたのには、希望を感じました。

 

 

続いて、一般社団法人フォレストック協会 理事長の松原 賢一郎様に、「グリーン物流」について講演いただきました。

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地球温暖化対策として、二酸化炭素(CO2)削減が叫ばれて久しいですが、どう取り組めばよいかわからない、という企業もあると思います。実際、経済活動にはどうしてもCO2排出が伴います。それを、クレジットを購入することにより、事業で排出されるCO2を相殺する仕組み「グリーン物流2030(仮称)」を紹介いただきました。クレジット代金は一口5,000円で、森林保全の活動費として活用され、その森林がCO2を吸収する暫定量で排出量と相殺します。一口ごとに毎月1トンのCO2削減効果を告知可能、プロジェクト参加証明となる認定書や感謝状、また車両用のプロジェクトステッカーが付与され、協会ホームページでも企業名が公表されます。

「環境配慮」「環境貢献」も時代の流れを感じます。実質的に大切なことである一方、環境にきちんと配慮している会社というイメージ戦略も採用の上で有効でしょう。松原氏からも「人が会社を選ぶとき、今は、ホームページチェックは当たり前。採用の媒体にお金をかけるのではなく自社のHPに、また特に採用ページに力をいれなくてはいけない。短期的には結果は出にくいが中長期で考えたら自社HPの手入れは絶対に採用コストは安くなる」と主張、会場からも、「今は新卒者の親が必ずホームページをチェックして、その会社を判断する、という時代だから頷ける」「今の若者は、会社の業績が伸びるということではない社会貢献に興味を示す。ホームページでのアピールは有効」という意見多数でした。

ほか、会場からの意見。
・燃費走行のデータをとれるので、参加企業がエコドライブしたものを見える化することはできるだろうか。会社が参加する意義も見えるし、ドライバーさんのモチベーションにもつながる。
・トラックのステッカーも良いが、実際、いろいろ貼ってあるともう何がステータスなのかわかりにくくなることが懸念される
・助成が受けられるなど、わかりやすい特典があるともっとスムーズな参加が見込めるのでは
・運送業界のイメージアップにつながるとよい
・グリーン物流という名前はたくさん出ている。推進している省庁とうまく組めればもっと箔がつくだろう
・クールビス実施を掲げるかどうか、で採用アピールも全く異なってくる。作業服も再生PTからできているものでないと採用しない企業も増えている。荷主さんも「グリーンプロジェクトに加入している企業にものを運んでもらってますよ」というアピールができるようになれば尚よい
・トラックドライバー甲子園のように表彰するような場があると良い

ありがとうございました。

 

さて、次回のDNA定例会は11月27日(火)です。DNA定例会は会員限定の勉強会ですが、初回に限り、オブザーバー参加も可能です。ご興味ある方は事務局(dna.secretariat@gmail.com))までお問合せください。

2018年9月度D.N.A定例会 開催報告

9月25日(火)、新橋フィルポートにて「9月度D.N.A定例会」を開催しました。今回のテーマは「定着率の向上の為の取組」。最近は、どこの会社でも人手不足が続いています。その上、せっかく採用した社員さんが会社を去っていく、こうした状況はもちろんどこの会社だって避けたいもの。定着率をあげることは、おそらく業界問わず、経営上必要不可欠ではないでしょうか。今回は、D.N.Aの理事が、自社での独自の取り組みを発表しました。

 

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■「目標達成給制度の導入」 安立運輸株式会社

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出島理事が代表を務める安立運輸株式会社では、従業員満足度をあげる取り組みとして「目標達成給制度」を2014年9月に導入しました。出島理事が代表を継いでから感じたのは、成長途上を経験している社員ほどやる気があり、前向きだということ、一方で成長しきった環境に慣れた社員さんの士気が低かったこと。自分の努力で会社が大きく成長してきたという経験がある社員さんは会社が好きだと感じてくれている、また、成長しているときは給与もあがっていました。この経験から、会社を好きになってもらうことと、成長することでそれが給与にも反映されるという2点が、会社の定着率に大きく寄与すると実感したことが、制度導入の経緯でした。

同制度では目標を最大5項目として、1つ以上設定。最低1つは業務にかかわること、例えば、無事故・無違反、デジタコの平均点数99点以上、など。それ以外は仕事に限らず、客観的に確認でき、成長が認められる目標なら生活や趣味でも認めるというのがユニークでした。例えば、ゴルフのスコアや、健康診断の数値目標でもOKです。対象者は、3か月以上所属の正社員のほか、アルバイトや嘱託も含まれます。

結構なコストになると思うが、従業員の反応やアクションは?どうか、という質問に対し、制度導入後、目標もなく漠然と仕事をしていた社員が、目標をもって仕事にあたってくれるようになったり、業務以外の目標を話題にすることでプライベートな話題でコミュニケーションを図ったりするようになった、参加率は85%、うち達成率は88%ほど、1目標につき1万円を支給しているが、クオカードなどでもよいだろう、ということでした。

「目標の結果に対して、自分がコメントを書いている。人事評価制度を作って頑張ったから給与が上がったということを明示していきたい」と、締めくくりました。

 

■「エスエーサービス株式会社の人材確保」エスエーサービス株式会社

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坂中理事が代表を務めるエスエーサービス株式会社では、人材確保戦略として、女性の採用担当責任者をおきました。入社当初、彼女はAT免許のみ所持していましたが、大型やけん引免許まで取得して、やる気さえあれば性別問わず、チャレンジする環境を提供するアイコンとして、活躍してくれているそうです。

人材確保として一番効果があったのは「ハローワークの活用」。トラック乗務経験がなくても軽トラ乗務からスタートできることを明示して、未経験層にまで募集の幅を広げる工夫をしています。その他、安全を徹底的に優先していることや、休憩時間もしっかり確保していることなどをアピール。募集についてはもう一つ、indeedを活用しており、人材確保のルートとしては、この2つ柱で効果をあげている、というお話でした。

おかげで応募や採用は増えたので、今後はより一層定着率に力をいれたい、今後の取り組みとしては。賃金規定の見直し、LGBTなど特定人材マーケットの活用(実際に専用のウェブサイトがあるそうです)、新人業育カリキュラムの設置、人材育成を予定している、というお話でした。

人材確保ルートは、これまでも定例会で何度かテーマとして取り上げていますが、地域や募集ターゲットによる特性があるようです。採用効果を上げるには、まずその特性をつかむ、というのは大事なポイントのようですね。坂中理事の会社は関西圏ですので、東京で生のお話をいただくのは大変貴重だったと思います。

 

■「会社の魅力を打ち出す」株式会社エー・シー・トランスポート

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次は、池永理事が代表を務める株式会社エー・シー・トランスポートさん。ご担当のフクシマさんが、発表くださいました。エー・シー・トランスポートさんは、「自己成長」「研修制度」「チャレンジ」「成長性」「熱い!優しい!面白い!経営陣」というキーワードを掲げて、活気のある会社づくりをしています。中でも目に付いたのは「やってみたい!は会社のタカラ」というキーワード。何かをやってみたい!といったときにそれを「宝」といってくれる土壌があれば、社員さんの提案も活発になって、会社にも活気がでることは想像に難くありません。

「自己成長」を促す、また実際にそれを感じてもらう制度として、「理念と経営勉強会」や「社外リーダー研修」等さまざまな研修のほか、D.N.A主催の「トラックドライバー甲子園」も多いに活用くださっているとのこと、ドライバーさんが、公に表彰されたり、評価されたりする機会です。

その他、会社の10年後のビジョンを社員さんに明確に示していました。「地域で働きたい企業NO1へと成長する」というビジョン。これは福利厚生などの待遇的な面と、やりがいを感じる心の面、双方のNO1を目指しています。さらに、社員さんはもちろんのこと、社員さんのご家族もお招きして、BBQ大会や餅つき大会も開催しているそうです。会社に愛着をもってもらう、というのは定着率を上げるうえで、キーポイントといえそうです。

取り組みの成果はどうか? という質問に、勤続年数5年以上の社員さんの定着率は良い、ということでした。会場からは、実際にエー・シー・トランスポートさんは若手が元気なイメージが強い、というご意見も。「若者が元気」。これは、会社や団体が存続するキーポイントだと思います。いつの時代でも、時代を切り開くのは若者ですから。

 

■「外国人雇用について」株式会社フローラ・アミ

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3社からの事例共有の後、株式会社フローラ・アミ代表の前田智之様にご登壇いただき、「外国人雇用について」講演いただきました。日本の労働力人口が減っていく中、労働力不足が各業界で深刻になってきています。どの業界もその影響を受けて、人材確保が年々、困難になっている中、外国人の人材活用を推進する会社さんです。

外国人を雇用するには、当然ビザが必要です。在留資格をもつ人数もここ数年うなぎ上りです。確かに、コンビニやファーストフードで働く外国人を目にする機会も、多くなりました。では人手不足の運送業界でもぜひ、といきたいところですが、残念ながら、就労資格付与の上で、運送業界は外国人雇用促進の対象外、ということでした。運送業のドライバーでは就労ビザが取得できない、すなわち、正式な受け入れができない、と。当然これには会場から「なぜ」の声。前田氏によると「技能が外からみた場合に見えづらいのだろう。就労を許可する上で、どういうスキルを持てば許可できるか、その基準が素人からすると見えにくい、それが制度化しづらい一因では」という回答でした。

ではどうするか。外国人ドライバーを「養成」するのだそうです。会社が融資して、現地で運転免許を取得してもらい、日本にきて日本語を学んでもらう、同時に外国免許を切り替え、専門学校を出てから、管理職候補という立場で会社に受け入れる流れ。ただし、一般化プロセスではないので、実際に行う際は課題も出てくる可能性があります。中でも、人口ピラミッドで若者層が圧倒的に多いベトナムは人材マーケットしてポテンシャルが高い、以前は「即戦力型」の外国人採用が主流だったが、現在は「養成型」に軸足を置いて、ビザが拡充してきている、というお話でした。

ひと昔前は、どこへいっても経験や即戦力ばかり求められる、では新人はどうすればよいのか、という時代でしたが、今は「養成型採用」という考えが広がっているというお話のは、目から鱗でした。

 

今回は、講師が4名いらしたこともあり、盛沢山な内容でした。皆様、ありがとうございました。

D.N.A定例会ではここに書ききれないくらい、貴重な情報共有がなされていますので、ぜひ会場へお越しください。次回は10月22日(月)の開催です。ご興味ある方は事務局(dna.secretariat@gmail.com)まで、ご連絡ください。