2018年9月度D.N.A定例会 開催報告

9月25日(火)、新橋フィルポートにて「9月度D.N.A定例会」を開催しました。今回のテーマは「定着率の向上の為の取組」。最近は、どこの会社でも人手不足が続いています。その上、せっかく採用した社員さんが会社を去っていく、こうした状況はもちろんどこの会社だって避けたいもの。定着率をあげることは、おそらく業界問わず、経営上必要不可欠ではないでしょうか。今回は、D.N.Aの理事が、自社での独自の取り組みを発表しました。

 

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■「目標達成給制度の導入」 安立運輸株式会社

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出島理事が代表を務める安立運輸株式会社では、従業員満足度をあげる取り組みとして「目標達成給制度」を2014年9月に導入しました。出島理事が代表を継いでから感じたのは、成長途上を経験している社員ほどやる気があり、前向きだということ、一方で成長しきった環境に慣れた社員さんの士気が低かったこと。自分の努力で会社が大きく成長してきたという経験がある社員さんは会社が好きだと感じてくれている、また、成長しているときは給与もあがっていました。この経験から、会社を好きになってもらうことと、成長することでそれが給与にも反映されるという2点が、会社の定着率に大きく寄与すると実感したことが、制度導入の経緯でした。

同制度では目標を最大5項目として、1つ以上設定。最低1つは業務にかかわること、例えば、無事故・無違反、デジタコの平均点数99点以上、など。それ以外は仕事に限らず、客観的に確認でき、成長が認められる目標なら生活や趣味でも認めるというのがユニークでした。例えば、ゴルフのスコアや、健康診断の数値目標でもOKです。対象者は、3か月以上所属の正社員のほか、アルバイトや嘱託も含まれます。

結構なコストになると思うが、従業員の反応やアクションは?どうか、という質問に対し、制度導入後、目標もなく漠然と仕事をしていた社員が、目標をもって仕事にあたってくれるようになったり、業務以外の目標を話題にすることでプライベートな話題でコミュニケーションを図ったりするようになった、参加率は85%、うち達成率は88%ほど、1目標につき1万円を支給しているが、クオカードなどでもよいだろう、ということでした。

「目標の結果に対して、自分がコメントを書いている。人事評価制度を作って頑張ったから給与が上がったということを明示していきたい」と、締めくくりました。

 

■「エスエーサービス株式会社の人材確保」エスエーサービス株式会社

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坂中理事が代表を務めるエスエーサービス株式会社では、人材確保戦略として、女性の採用担当責任者をおきました。入社当初、彼女はAT免許のみ所持していましたが、大型やけん引免許まで取得して、やる気さえあれば性別問わず、チャレンジする環境を提供するアイコンとして、活躍してくれているそうです。

人材確保として一番効果があったのは「ハローワークの活用」。トラック乗務経験がなくても軽トラ乗務からスタートできることを明示して、未経験層にまで募集の幅を広げる工夫をしています。その他、安全を徹底的に優先していることや、休憩時間もしっかり確保していることなどをアピール。募集についてはもう一つ、indeedを活用しており、人材確保のルートとしては、この2つ柱で効果をあげている、というお話でした。

おかげで応募や採用は増えたので、今後はより一層定着率に力をいれたい、今後の取り組みとしては。賃金規定の見直し、LGBTなど特定人材マーケットの活用(実際に専用のウェブサイトがあるそうです)、新人業育カリキュラムの設置、人材育成を予定している、というお話でした。

人材確保ルートは、これまでも定例会で何度かテーマとして取り上げていますが、地域や募集ターゲットによる特性があるようです。採用効果を上げるには、まずその特性をつかむ、というのは大事なポイントのようですね。坂中理事の会社は関西圏ですので、東京で生のお話をいただくのは大変貴重だったと思います。

 

■「会社の魅力を打ち出す」株式会社エー・シー・トランスポート

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次は、池永理事が代表を務める株式会社エー・シー・トランスポートさん。ご担当のフクシマさんが、発表くださいました。エー・シー・トランスポートさんは、「自己成長」「研修制度」「チャレンジ」「成長性」「熱い!優しい!面白い!経営陣」というキーワードを掲げて、活気のある会社づくりをしています。中でも目に付いたのは「やってみたい!は会社のタカラ」というキーワード。何かをやってみたい!といったときにそれを「宝」といってくれる土壌があれば、社員さんの提案も活発になって、会社にも活気がでることは想像に難くありません。

「自己成長」を促す、また実際にそれを感じてもらう制度として、「理念と経営勉強会」や「社外リーダー研修」等さまざまな研修のほか、D.N.A主催の「トラックドライバー甲子園」も多いに活用くださっているとのこと、ドライバーさんが、公に表彰されたり、評価されたりする機会です。

その他、会社の10年後のビジョンを社員さんに明確に示していました。「地域で働きたい企業NO1へと成長する」というビジョン。これは福利厚生などの待遇的な面と、やりがいを感じる心の面、双方のNO1を目指しています。さらに、社員さんはもちろんのこと、社員さんのご家族もお招きして、BBQ大会や餅つき大会も開催しているそうです。会社に愛着をもってもらう、というのは定着率を上げるうえで、キーポイントといえそうです。

取り組みの成果はどうか? という質問に、勤続年数5年以上の社員さんの定着率は良い、ということでした。会場からは、実際にエー・シー・トランスポートさんは若手が元気なイメージが強い、というご意見も。「若者が元気」。これは、会社や団体が存続するキーポイントだと思います。いつの時代でも、時代を切り開くのは若者ですから。

 

■「外国人雇用について」株式会社フローラ・アミ

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3社からの事例共有の後、株式会社フローラ・アミ代表の前田智之様にご登壇いただき、「外国人雇用について」講演いただきました。日本の労働力人口が減っていく中、労働力不足が各業界で深刻になってきています。どの業界もその影響を受けて、人材確保が年々、困難になっている中、外国人の人材活用を推進する会社さんです。

外国人を雇用するには、当然ビザが必要です。在留資格をもつ人数もここ数年うなぎ上りです。確かに、コンビニやファーストフードで働く外国人を目にする機会も、多くなりました。では人手不足の運送業界でもぜひ、といきたいところですが、残念ながら、就労資格付与の上で、運送業界は外国人雇用促進の対象外、ということでした。運送業のドライバーでは就労ビザが取得できない、すなわち、正式な受け入れができない、と。当然これには会場から「なぜ」の声。前田氏によると「技能が外からみた場合に見えづらいのだろう。就労を許可する上で、どういうスキルを持てば許可できるか、その基準が素人からすると見えにくい、それが制度化しづらい一因では」という回答でした。

ではどうするか。外国人ドライバーを「養成」するのだそうです。会社が融資して、現地で運転免許を取得してもらい、日本にきて日本語を学んでもらう、同時に外国免許を切り替え、専門学校を出てから、管理職候補という立場で会社に受け入れる流れ。ただし、一般化プロセスではないので、実際に行う際は課題も出てくる可能性があります。中でも、人口ピラミッドで若者層が圧倒的に多いベトナムは人材マーケットしてポテンシャルが高い、以前は「即戦力型」の外国人採用が主流だったが、現在は「養成型」に軸足を置いて、ビザが拡充してきている、というお話でした。

ひと昔前は、どこへいっても経験や即戦力ばかり求められる、では新人はどうすればよいのか、という時代でしたが、今は「養成型採用」という考えが広がっているというお話のは、目から鱗でした。

 

今回は、講師が4名いらしたこともあり、盛沢山な内容でした。皆様、ありがとうございました。

D.N.A定例会ではここに書ききれないくらい、貴重な情報共有がなされていますので、ぜひ会場へお越しください。次回は10月22日(月)の開催です。ご興味ある方は事務局(dna.secretariat@gmail.com)まで、ご連絡ください。

2018年8月22日D.N.A定例会開催報告

 8月22日(水)16時より、新橋フィルポート4F大会議室にて、8月度DNA定例会を開催しました。今回は、東京海上日動火災保険株式会社 営業企画部の方に講師としてお越しいただき、「健康経営」について、教えていただきました。

■「今、なぜ健康経営なのか?~運送業における健康経営~」

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 労働力人口の減少が課題である日本において、社員が元気で働き続けることができる職場づくりをすること、それが「健康経営」です。ここでの「健康」は社員さんの心身の健康に会社が取り組むことを指しています。社員の定着による離職率の低下、会社/採用でのアピール、ビジネスパートナーからの信頼、地域からの信頼など、メリットは多岐にわたります。

 健康経営優良法人として国(経済産業省)が認定する制度として「ホワイト500」というものがあります。大規模法人部門、中小規模法人部門があり、健康経営に取り組む優良な法人を「見える化」することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」として社会的に評価を受けることができる環境を整備することを目標としています。(経産省サイトより抜粋)

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 今は、ネット、情報社会。就職においてもネットで情報収集をするのが主。そこでホワイト500を通じて健康経営に力をいれていることをアピールすると、人材も集まりやすい、というお話がありました。内定した学生さんが親御さんに相談して、親御さんがインターネットでその会社を検索、確認した上で、内定受諾を決定することもあるんだそう。社内外のアピールや、採用定着にもつながるのも頷けます。経産省の認定マークをフルに活用して、採用活動やPRにして使うことも可能です。

 講師からは「健康経営度セルフチェックリスト」が配布され、資料のセルフチェックリスト15項目を確認、自社がホワイト500に該当しているようであれば、さらに詳細な調査票があるので、相談にのります、ということでした。興味を示す会社さんが多いのに対し、ご案内くださる人材に限りがあるとのことで、遠隔地ないしはお急ぎの会社さんに対しては、オンラインでのご相談も受け付けている、ということでした。

 次は、関連会社の株式会社アドバンテッジリスクマネジメントの方に講師交代、「安心して療養できる環境整備について」講演いただき、健康経営の一環として、GLTD(団体長期障害所得補償制度)に会社が加入するメリットについて、教えていただきました。いわゆる所得補償保険ですが、健康保険の傷病手当金の額が上乗せされるものです。傷病手当金より、カバーされる疾病の幅が広く、保険金も基本給の〇〇%や月額〇〇万、など選択可能。もし何かの理由で働けなくなった際も、会社がこういった保険に加入していると安心です。「労災などは一定期間で打ち切られるので、その後の補償。大病して働けなくなった人に、一時金は出せても、退職以降には会社は何もできない。この保険を使うことで、将来にむかってワークしていく。退職後も含めた保険制度と考えて頂ければ」というお話でした。

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 講演後は各社の事例を共有し、「こういった場合はどうしたらよいか?」「経営者として自分に何ができたのか」など、協議、質疑応答を行いました。命にかかわる疾病に侵された場合、会社には何も言わずに辞めるというケースがままある、でもこういった制度があることがわかっていれば会社に伝えて、会社がバックアップしてくれると思ってくれるなら、それがその人にとってどんなに大きな支えとなったことか、というお話もありました。そのほかにも、現代では珍しくなくなった心を病むケースについて。個人差が大きすぎるため、会社として一律した方針や対策が有効ではありません。こういった場合は何ができるか、また別の場合は何ができるか、出席者で議論を交わしました。経営者/担当者として抱える悩みを、ひとりだけで自社だけで抱えずに、改善に向けて専門家や他社の事例から学ぶ、定例会の最大の醍醐味です。

 さて、次回のDNA定例会は9月25日(火)、同じく16時から新橋フィルポートにて行います。テーマは「社員の定着率」対策について。DNA会員限定の会合ですが、初回に限りオブザーバー参加も可能です。オブザーバー参加をご希望の方は、事務局(dna.secretariat@gmail.com)までその旨、ご連絡ください。