2019年9月度 DNA定例会開催レポート

2019年9月18日(水)新橋フィルポートにて、9月DNA定例会を開催しました。

『オープンイノベーション~物流の力で社会課題を解決!~』
講師:セイノーホールディングス株式会社 
オープンイノベーション推進室室長 ココネット株式会社取締役社長 河合秀治様

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1997年に西濃運輸株式会社に入社し、ドライバー業務からスタートした河合氏は、その後本社監査室での業務等を経て、社内では異例であったベンチャー企業(ココネット株式会社)を設立し、後に社長に就任。その後も10以上の社内ベンチャー立ち上げに奔走する異色の人材として注目を集めていらっしゃいます。運送事業の停滞を打破すべくゼロイチを生み出す挑戦を続ける河合氏に現在に至るまでの経緯をお伺いしました。

 

河合氏がこれまで立ち上げた主なプロジェクトは以下です。

※買い物弱者対策物流開発
現在、日本には、住居から半径500m以内に生鮮食品販売店舗、スーパーなどが無く車を持っていない65歳以上の方が800万人存在するとされている。こうした買い物弱者に対し食品をお届けするラストワンマイル物流を展開。同サービスの主力を担うのはシングルマザーなどからなるコミュニティコンシェルジュ。運転のスキルは高くないが、主婦目線でお客様のお困りゴトを解決することが顧客層からの信頼獲得につながり事業成長している。

※こども宅食プロジェクト参画
文京区と共同でひとり親家庭などの自宅に食品を無料で届ける物流サービス。ドライバーが玄関先までお伺いし各家庭とのコミュニケーションを取る中でその家庭で何が課題になっているのかをヒアリングし文京区に戻す。

※連携先海外コールドチェーン展開
インドネシアで冷凍食品の輸送を開始。工場から小売までの物流過程において商品(アイスクリーム)が溶けてしまう原因を分析し、専用トラック開発やドライバーのサービス価値向上を図り事業を軌道に乗せる。

※防災、減災事業展開
非常用発電設備の負荷試験、メンテナンス事業を展開。非常用発電設備がトラックのエンジンと全く構造が一緒であるためにトラックメンテナンス技術者の活用が可能。

※植物工場事業進出
埼玉倉庫の屋上にレタス工場を開発。これに伴いロゴ開発や従業員勤務施設のリニューアルを実施。ブランディング効果で社員雇用促進にも寄与。

※モエアグリファーム
熊本で東京ドーム3.5個分の有機栽培畑作を展開。障害者雇用を行っており黒字化を達成。

※パレットリユース事業
木製の使用済みパレットを再開発する事業。DIYタレントとして有名な森泉氏を起用するパレットアワードなどのPR施策により注目を集め、リユースされたパレットはおしゃれな什器としてベンチャー企業などで活用されている。

 

なぜ河合氏は、こうした社内ベンチャー立ち上げを実施出来ているのか?
その根源には、物流こそが様々な社会課題を解決できるという氏の強い信念があることが分かりました。セイノーホールディングス株式会社にはかつて混載便で初めて箱根の山を越えた運送会社としての歴史がある。会社として持っているDNAは新しいサービスに挑戦するというもの。河合氏は挑戦を続ける事で、現状の保守的な企業風土に風穴を開けていきたいと考えているとのことです。
トラックの積載効率平均40%、ドライバー不足等大きな課題を抱えている物流業界であるが“100個の水たまり”をつくる事で次なる時代の物流創造の萌芽を作っていこうとされています。

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次回DNA定例会は11月18日(月)大阪にて近畿ブロック例会という形で開催致します。

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